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心にしみる一言(150) 印刷は1日に200~300枚が限度

◇一言◇
 印刷は1日に200~300枚が限度

◇本文◇
 京都府宇治市に万福寺があり、その塔頭(たっちゅう)に宝蔵院がある。江戸時代に、鉄眼禅師は全国を回って喜捨を求め、6956巻の一切大蔵経(だいぞうきょう)の版木を作った。
 それまでの経本は、中国から輸入されたものか、その写本ばかりだった。それは1行17字だった。鉄眼によって初めて、一切経の経本が国産のものとなった。
 版木は約6万本で、宝蔵院に残る。いまでも、注文を受けて刷る。日本の名刹(めいさつ)のほとんどが、鉄眼の版木で印刷した経本を使っているからだ。
 版木に墨をつけ、バレンでこする。昔ながら方法。それをたった1人で。版木がズラリと並ぶ蔵のような建物の中に担当者を訪ね、刷る枚数を聞いたことがる。その答が、上記の言葉だった。
 版木を見ると、1行は17字ではなく、20字になっている。10行進んで三角印があり、さらに10行。コクヨ原稿用紙ではないか? コクヨ広報部に聞くと、「400字詰め原稿用紙の起源には諸説あるが、大蔵経の版木という説もある」と話していた。。この版木は、日常生活にも深く入り込んでいるような気がした。(梶川伸)2018.03.06

更新日時 2018/03/06


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