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寺の花ものがたり(146) 看景寺(大阪市豊中市)の梅(3月上旬)

2011年3月3日撮影

 地域密着新聞「マチゴト豊中・池田」を発行していた時、旧能勢街道を歩く企画「能勢街道をゆく」を担当した。旧街道を歩きながら、フラリと立ち寄ったのが、豊中市の看景寺に立ち寄った。
 鐘楼の周りには、椿の木に混じって、紅梅の木が2本あり、鐘との組み合わせで印象に残った。幹や枝がうねったようになっていたからだ。寺で聞くと、黒竜梅という品種だった。
 それから1年後、正確には1年と1日後、再びこの寺の梅をみることになる。読者のみなさんと一緒に、旧能勢街道を少しずつ歩くイベントをし、その5回目に看景色寺も組み込んだ。
 事前に連絡をとっていて、当日は先代住職の奥さんが説明を引き受けてくれた、境内には椿もあり、説明の中心は椿になった。奥さんは太郎冠者(かじゃ)、有楽(うらく)、加茂本阿弥(ほんあみ)といった品種を次々に説明した。卜伴錦(ぼくはんにしき)は花びらが中心部でフリルのように重なった赤い椿で、参加者は珍しい品種に顔を近づけて観察していた。
 梅も椿も数が多いというわけではないが、寺の人の親切さが花と結びついて心に残る寺だった。

◇看景寺(かんけいじ)◇
 本町3丁目14−32。阪急宝塚線豊中駅から徒歩10分。06-6852-4112。この辺りは昔、行基が創建した金寺があったところで、盛期には「金寺千軒」と呼ばれるほど、塔頭(たっちゅう)があった。看景寺も、今も光源寺、法雲寺など由緒ある寺が多いところです。その一つで、境内には金寺の塔礎石(大阪府文化財)が残っている。(梶川伸)2018.02.22

更新日時 2018/02/22


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