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心にしみる一言(132) 四国の人はうるさい。自分を1人にさせてくれませんでした

牧野植物園のシンボル、バイカオウレン

◇一言◇
 四国の人はうるさい。自分を1人にさせてくれませんでした

◇本文◇
 お遍路さんの休憩所を作る「四国八十八ヶ所ヘンロ小屋プロジェクト」を支援する会に参加させてもらっている。毎年総会を開き、活動報告と会計報告をする。それだけでは味気ないので、合わせて講演会やシンポジウムを開く。
 2017年2月には高知市の高知県立牧野植物園のホールで、第11回総会を開いた。講演会の講師には、植物園の隣の四国霊場31番・竹林寺の海老塚和秀住職にお願いした。演題は「四国発信! これからの時代、これからの生き方」で、話の中に、取り上げた言葉があった。
 海老塚さんは訪ねてきた若者の例を挙げた。若者はニートで、家に引きこもっていたが、一念発起して、遍路に出た。自分を見つめ直すために、1人で静かに歩くのがいいと思ったからだった。ところが、若者が言ったのは、「四国の人はうるさい。自分を1人にさせてくれませんでした」。四国の人のお遍路さんに対するお接待の気持ちの強さを物語っているわけで、遍路を終えた若者は「世の中に着地し、社会に帰っていった」そうだ。
 海老塚さんは「現代おける四国遍路の魅力」の1つとして、「四国は安心して迷子になれる場所」と語った。親切な四国の人(引きこもりの若者の言う「うるさい四国の人」)のたおかげで、迷子にならないし、迷子になっても大丈夫、ということだ。(梶川伸)2017.10.25

更新日時 2017/10/25


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