心にしみる一言(126) 米の酒は米の味。いい酒を造る秘訣はいい米を作ること
◇一言◇
米の酒は米の味。いい酒を造る秘訣はいい米を作ること
◇本文◇
「龍力(たつりき)」の日本酒で知られる本田商店は、兵庫県姫路市のJR網干駅のすぐ南側にある。取材で訪れたのは、2006年のことだった。
取り上げたのは、会長の本田武義さんの言葉だった。その言葉はさらに、「はいい米を使うのは、小さい蔵の特権。ここの酒は、1升瓶あたり単価が高い」に続き、胸を張った。酒造好適米の山田錦が、85%を占める蔵ならではの自信だろう。
本田さんは当時74歳だったが、米と酒にかける思いの強さと、その肩書に驚いた。73歳で京都大学大学院農業研究所研究生となり。40カ所の山田錦のアミノ酸の分析をしていいた。「場所により数字が違い、香り、味が違う」。それを検証して、酒造りに生かすと語った。
「ようけ造るより、おいしい自分の蔵の酒を造りたい」。これも酒造りにかける本田さんの言葉。「6月2日に植えると、8月28日の午前10時半から花が咲き始める」。これは研究者としての研究成果だった。(梶川伸)2017.09.18
更新日時 2017/09/18