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寺の花ものがたり(107) 東林院(京都市右京区)沙羅=6月後半

2007年6月23日撮影

 「沙羅(さら)をめでる会」という言葉にひかれて、妙心寺の塔頭(たっちゅう)、東林院に行った。バスを降りると、何人もが東林院に向かっていた。抹茶付きの期間限定の拝観で、その分だけ料金も高いが、なかなか人を呼び込むのにたけている。
 小さな寺で、中に入ると小さな庭があり、そこに十数本の沙羅が植えてある。それを縁側から見る。
 庭には、コケが敷いてある。その上に沙羅の花が落ちている。満遍なく落ちているので、人の手が加わっているのかもしれない、
 花は白い5弁の花びらで、真ん中に黄色のしべが固まっている。別名は夏ツバキで、確かにその雰囲気がある。花は開き切っていない。それが奥床しい。僧の説明では、産毛もついていて、それも上品さを示している。コケに散った花は、花びらを閉じていた。それも奥床しい。一日花とも呼ばれ、そのはかなさもあいまって、静かに花と庭を見つめる。

◇東林院(とうりんいん)◇
 京都市右京区花園妙心寺町59。075-463-1334。京都市バス妙心寺前下車、徒歩6分、JR山陰線花園駅下車、徒歩8分。室町幕府の最後の管領、細川氏綱が、養父・細川高国の菩提を弔うために建立した。平素は宿坊と精進料理で、沙羅をめでる会などの催しで特別公開。
(梶川伸)=状況が変わっている可能性もあるので、ご了承ください。201706.01

更新日時 2017/06/06


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