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心にしみる一言(98) コミュニティバスの運行が合併の大きな要素だった

旧花園村の中心部

◇一言◇
 コミュニティバスの運行が合併の大きな要素だった

◇本文◇
 平成の大合併の自治体を、いくつか取材した。なぜ合併を選んだのか、何を重視したのか、そんなことを聞いて回った。和歌山県かつらぎ町への「編入合併」の道を進んだ旧花園村長、北浦亮三さん(合併後にかつらぎ町収入役)が語ったのが、上記の言葉だった。
 北浦さんは、山間地に住む村民を交通弱者と位置付けていた。民間バスは走っていた。行先は和歌山市で2時間半かかり、料金は2240円もかかったうえ、1日2便だkだった(2005年当時)。だから、紀の川沿いの町へ出るバスの便がどうしてもほしかった。それを可能にしたのが合併で、町のコミュニティバスを花園まで延長することが合併の条件だった。
 旧花園村と旧かつらぎ町はわずか500メートルしか接していない。取材の際、紀の川の北のJR笠田(かせだ)駅前から、終点の旧花園村中心部まで、町のコミュニティバスに乗ってみた。バスは紀の川を南に渡り、いったんかつらぎ町外の高野町、美里町を通って走って行った。所要時間は1時間。料金は150円。ただし、1日4往復だけだった。山の中の村の交通事情の深刻さを、教えてもらった取材だった。(梶川伸)2017.04.01

更新日時 2017/04/01


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