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寺の花ものがたり(96) 真福院(津市)参道・三多気の桜=4月上旬~下旬

2006年4月24日撮影

 真福院の桜というより、参道の桜と言った方が正確だ。地名をとって「三多気(みたけ)の桜」と呼ばれる。
 1.5キロの間に2000本近い桜が並木を作っている。樹齢200年といった古木も多いのが特徴だ。高低差があり、数も多いので、咲いている桜を楽しめる期間は長い。
 風情がいい。緩い坂道を。のんびりと登っていく。寺に近づくと、左手にはわら屋根の農家、右手には水を張った田んぼ。桜の盛りを過ぎると、花びらが水に落ち、一面の花筏(はないかだ)を見せる。山里の桜の春を凝縮した情緒の中を歩く。
 参道には地元の人が露店を出す。ぼた餅やばらずしといった素朴な食べ物を売っている。ちょっとした広場では、近くの人が自慢ののどで歌っている。春の楽しさがそこにある。

◇真福院(しんぷくいん)◇
 津市美杉町三多気204。JR名松線・伊勢奥津駅から名張駅行きバス約10分、杉平下車、徒歩で15分。059-274-0716(桜の情報は津市美杉総合支所地域振興課059-272-8085)。本尊は蔵王権現。創建は白鳳時代(670年ごろ)とされる。境内には鎌倉時代後期の宝篋印塔(ほうきょういんとう)、樹齢1000年を超えると推定される大ケヤキがある。
(梶川伸)=状況が変わっている可能性もありますので、ご了承ください。2017.03.27

更新日時 2017/03/27


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