心にしみる一言(88) 水でペットボトルを吹き飛ばすの
◇一言◇
水でペットボトルを吹き飛ばすの
◇本文◇
JR学研都市線の河内磐船駅で降り、あたりをぶらついている時だった。交野市総合体育施設の敷地のコンクリートを張った地面に、子どもたちがペットボトルを立てていた。口を下にして。
不思議に思い、「何してるの」と聞くと、この答えだった。よく見ると、コンクリートには所々に小さな穴が空いている。その穴のいくつかに、ペットボトルが置かれていた。実は、間欠泉のように、間隔をおいて地面から吹き上がる噴水だった。数えると、穴は20もあった。
やがて、霧状の水が吹き出した。「これでは無理だろう」と言うと、「前に成功した」。間もなく霧は、大人の背の高さもある水柱に変わり、ペットボトルは見事に吹き飛びんだ。子どもたちは大歓声を上げた。ビショビショになりながら。(梶川伸)
=2003年3月3日の毎日新聞に掲載したものを再掲載2017.02.12
更新日時 2017/02/12