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心にしみる一言(83) 鉛筆は手になじんでいる仲良しなので、自分の精神が鉛筆の先にくっつく

2003年1月31日の毎日新聞

◇一言◇
 鉛筆は手になじんでいる仲良しなので、自分の精神が鉛筆の先にくっつく

◇本文◇
  油絵から道をそれ、鉛筆画という独自の世界に進んでいった佐田元恵子を取材させてもらった時、1番印象に残ったのがこの言葉だった。
7年ほどたって、もう1度聞いてみても、思いは変わらないらしい。鉛筆画が奥深いことの証明でもあるのだろう。「鉛筆は大きな木から作る。その中心は土と粘土と墨でできている。みんな自然のもの。人間も自然に一部だから」
力強い線、柔らかい線、繊細な線。息を止めて、一気に手を運ぶ。緊張を持続させながら。
この道で20年以上になった。「右手の中指の1点に鉛筆が丁度いい具合にはまった時、私の奥深いところに潜んでいる内面がスイッチオンになる。そこから鉛筆を伝わって、その時の思いが白い画用紙に流れ込む」。それが鉛筆画だと言う。(梶川伸)
=2003年1月31日の毎日新聞に掲載したものを再掲載


更新日時 2017/01/02


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