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心にしみる一言(81) 風と遊ぶ

2003年1月13日の毎日新聞

◇一言◇
 風と遊ぶ

◇本文◇
 何と響きのいい言葉だろう。凧(たこ)の会「風人」の岡竹三雄さんが口にした。聞いて、思わずうっとりしてした。正月になると思い出す。
岡竹さんは教科書の絵などを手がけている。ある絵を使った本の装丁を頼まれた。後になって、津軽凧の絵だと知った。それがきっかけで、凧のとりこになって、舞い上がってしまった。
最初は集めるだけだった。やがて手作りを始める。竹を1年間も乾燥させる。絵は産地から取り寄せた和紙をしばらく寝かせてから描く。絵と竹を合体させて凧にするのは、揚げる前日。
「いろんな風と遭遇する」。言われてみれば、確かにそうだろう。風はその日、その時によって変わる。「風を読みとれるか。風と凧が調和しているか」。風と対話しながら揚げるそうだ。(梶川伸)
=2003年1月13日の毎日新聞に掲載したものを再掲載2016.11.20

更新日時 2016/11/20


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