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心にしみる一言(69) 歯でへその緒をかみ切り、赤ちゃんを抱いてジャングルへ逃げていった 

2002年10月11日

◇一言◇
 歯でへその緒をかみ切り、赤ちゃんを抱いてジャングルへ逃げていった

◇本文◇
 米国海兵隊員だったアレン・ネルソンさんが、平和運動家に変わるきっかけの出来事だった。ベトナム戦争での体験談だと、来日して語った。
「USAでは牛の形の標的で射撃の訓練した。沖縄では人型標的で『男の急所を狙え』と教え込まされた」。人が人を殺すという暴力性を身につけさせられてから、戦場へ送られた。
海兵隊の中隊がある村で攻撃を受け、防空ごうに逃げ込んだ。「15~16歳の女の子がいた。腹から下は何もまとっていなかった。腹から何か出てきた。赤ちゃんだった。私は受け止めた」。すると女の子が奪い取り、取り上げた言葉へと続く。
 「毎日殺しは教えられていたが、新しい命については学んでいなかった」。防空ごうから出た後は、全く別の人間に生まれ変わっていたという。(梶川伸)=2002年10月11日の毎日新聞2016.07.02

アレン・ネルソン

更新日時 2016/07/02


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