このエントリーをはてなブックマークに追加

心にしみる一言(68) 季節に合わせて、あるもんを一緒に煮るだけ

2002年10月4日の毎日新聞

◇一言◇
 季節に合わせて、あるもんを一緒に煮るだけ

◇本文◇
 1996年から97年にかけて、高松市で勤務し、讃岐うどんをいやというほど食べた。1年半で409の店に行ったから、自分でもあきれてしまう。
高松市東植田町の店の女将に聞いたのが、上の言葉だった。農家の納屋のような店だった。うどん玉をどんぶりに入れてもらい、なべに入っているつゆを自分で注ぐ。そのつゆに驚いた。イリコだしに、大根、玉ネギ、ゴボウ、コンブを入れて煮込んであった。複雑な味で、「食べたことがないうどん」という客も多い、と言った。
「私が子どものころに食べた味。田舎の味ですよ」。1人前わずか120円だった。冬になって狩猟が解禁になると、主人の獲物のインシシや山鳥が入ることがあるという。気取りはない代わりに、季節がふんだんに入ったうどんだった。(梶川伸)=2002年10月4日の毎日新聞に掲載したものを再掲載2016.06.24

讃岐うどん

更新日時 2016/06/24


関連地図情報

関連リンク