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心にしみる一言(67) カキを食べに来たクマさんが、自動ドアから町役場に入ってきた

2002年9月27日の毎日新聞

◇一言◇
 カキを食べに来たクマさんが、自動ドアから町役場に入ってきた

◇本文◇
 クマなどの野生動物が山から里に下りてきて、農作物などを荒らし、人を傷つけることもある。それは、実のなる木が奥山にないからだ。
野生動物が暮らせるように、広葉樹を植樹して奥山再生を目指すグループがある。日本熊森協会もそうだ。そのメンバーと兵庫県但東町(現・豊岡市)に出かけて、ミズナラやコナラの木を植えたことがある。
上記のエピソードは、一緒に植樹をした奥田清喜町長が披露した。98年のことだ。幸い役場内に職員のいない時だったが、町民は驚いた。
「クマさん」と「さん」づけにしたユーモラスな言い方の裏に、複雑な思いがある。クマが出るような自然豊かな町と、役場までクマが入ってくる危険な町。野生動物との共生は、都会人が考えるほど簡単なテーマではないことを知った。(梶川伸)=2002年9月27日の毎日新聞に掲載したものを再掲載2016.06.16

日本熊森協会

更新日時 2016/06/16


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