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編集長のズボラ料理(188) 豚肉包みカレーコロッケ

ジャガイモの刻んだベーコンや味付けしたミンチを入れてもいい

 日本人の4分の3はカレーが好きだから、共通の話題として食卓に乗る。例えば……。
 20年以上昔、大阪市・福島に「カレー屋本店」という店を見つけ、うれしくなって入ってみたことがある。まだ健在なのかどうかは知らないが。
 実はレストラン風の食堂で、皿にも紙ナプキンにも、「大衆食堂」と書いてあった。ただ、カレーはメニューの1番上に書いてあって、値段は400円足らずと安かった。しかし、安いというのは、案外頼みにくい。カウンターならまだしも、みんなテーブル席で、周りを見ると、スープやサラダを付け加えたり、大盛りを頼んだりしている人がほとんどだった。しかし、勇気を出して初志貫徹し、カレーだけを頼んだが、どこか後ろめたさがあった。カレーの場合、そんな話ができるから面白い。
 神戸・元町駅の近くの香味園も、カレーを頼むのに勇気が必要だった。同僚に教えられて行ったが、店は中華料理屋だったからである。確かにカレーを食べている人がいた。その店の初心者には、中華丼ならまだしも、カレーを単独で頼むのは冷や汗ものだ。
 それでも根性を出して注文した。ルーは黄色で、非常に素朴な味がした。焼き豚が入っているのが、中華の店らしかったが、カレーはカレーだから、どうもそぐわない。
 コロッケも似た傾向がある。日本人の3分の2が好きだから、話のネタになる。例えば……。
 大阪市・ミナミ方面に強い同僚と飲みに行った。すると、コロッケの話となり、同僚は偉そうに言った。「関口のコロッケを食べずして、コロッケの話をするなかれ」
 そこで千日前の精肉店「関口」で、揚げたてのコロッケを買い食いした。味付けは塩、コショウ程度のあっさり系だった。
 ついでに、近くの黒門市場の精肉店「坂本」に寄り、揚げたてコロッケを買い食いした。こちらはしっかり味付けしてあった。その成果をもとに、また同僚と酒を飲んだ。コロッケは酒のあてである。ただし、実物ではなく、話だけだが。
 カレーとコロッケを組み合わせれば、最強の食べ物になるのではないか。ちょっと目先も変わるので、日々のおかずのマンネリ打破のためにもいい。
 ジャガイモをゆでてつぶす。タマネギを細く切ってさっとゆで、水分を切ってジャガイモに混ぜる。塩、コショウ、カレー粉を加えよく混ぜる。ジャガイモは俵状にして、豚肉の薄切りで包む。小麦粉、溶き卵、パン粉をつけて油で揚げて、コロッケにする。ズボラにしては、やや手がこんでいたか。(梶川伸)2016.05.12

更新日時 2016/05/12


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