編集長のズボラ料理(187) ナスのみそ挟み天ぷら
僕の家には通常、2種類のみそがある。赤みそと、それ以外と。正月には雑煮用に白みそが加わる。
赤みそはたいてい愛知県の八丁みそで、これは僕が好きだからだ。どこか甘味のある辛さがいい。高校時代を名古屋で過ごしたことが影響しているかもしれない。
店で食事をする時、みそ汁なら赤だしを頼む。即席麺(めん)で好きなのは、寿がきやのみそ煮込み。当然、赤みそ味だ。
もちろん、ほんまもんのみそ煮込みも食べる。毎日新聞が大阪市・堂島にあった時、堂島地下街に「きしめんの店あまの」があり、みそ煮込みとご飯をよく食べた。会社近くの昼食のベスト3は、インディアンのカレー、「鶴のす」のオムライスとボルシチ、それにみそ煮込みとご飯だった。
麺にご飯は、大阪人の専売特許ではない。名古屋でもみそ煮込みの場合は、このセットが当たり前なのだ。だから、「大阪の人間は」と、とやかく言われる筋合いはないし、名古屋人にはエールを送る。
この冬に青春18切符を使い、修道院で作っているワインを買うため、岐阜県多治見市にに行った。帰りに名古屋駅で降り、一緒に行った友人を案内して、駅の横のデパートに入っている山本屋に行き、みそ煮込みを食べた。赤みそ好きには、当然の行動でもある。
2005年の愛知万博に行った時は、会場でみそカツを食べた。大阪に戻る前に、名古屋市の中心部の栄で、手羽先の風来坊とコメダコーヒーに寄るため時間的余裕がなかった。みそカツも必須なので、博覧会会場で済ませておいたというわけ。
僕の家族はそれほど赤みそに執着はない。だから、それ以外のみそも用意している。インスタントの生みそのみそ汁も、赤みそとそれ以外と両方が準備してある。めんどくさい。
赤みその砂糖少々を加え、みりんと酒で伸ばしてペースト状にする。サンショウの実か粉、少々のゴマ油も混ぜる。ナスを1センチ余りの厚さで縦に切る。さらにサンドイッチにできるように間に切れ目を入れる。切れ目にペーストを塗り、衣をつけて天ぷらにする。これは赤みそでなければならない。(梶川伸)2016.05.10
更新日時 2016/05/10