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編集長のズボラ料理(843) 紅ショウガトースト

紅ショウガは多めがお薦め

 スーパーで紅ショウガを買う。パックに入っているのだが、細かく切ったものと、細長く切ったものがある。僕は必ず、長い方を買う。その方が使いやすいと思う。
 刻んだ方は何に使うのだろう。考えたら、タコ焼きが思いついた。関西人の家には、もれなくタコ焼き器がある。タコ焼きには紅ショウガが付きもの。それも、刻んだものが。きっと、そのためだ。
 僕の家ではとっくにタコ焼き時代は過ぎている。子ども2人が小さいころは、何度も家でタコ焼きを作った。しかし、大昔に家を出ている。しかも孫はいないから、作る機会がない。それでも、タコ焼き器は残っている。関西人の底力が、棚の奥に眠っている。
 大阪駅に隣接して「O3ビル」がある。アルファベットの大文字の「O]と数字の「3」。「オーサン」ビルで、実際には「オッサン」ビルと読ませる。何と大阪的な。東京では恥ずかしくて、とてもつけられない名前だろう。
 なぜ、そんな名前かというと、商業施設ゾーンの中心は居酒屋さんで、約50の飲食店が入っている。オッサンたちが仕事帰りに寄る、そんなイメージのビルなのだ。
 元同僚のオッサン2人で、O3ビルで飲んだ。そこそこ飲んで、そのまま帰ろうとしたが、どこか物足りなさがあって、僕がもう1軒誘った。行き先は隣のビル「KITTE」にある蛸之徹。自分で焼くタコ焼き屋さんである。
 行ってみて驚いた。何と、長い列ができている。しかも、若い人が中心。関西人の底力を目のあたりにした。
 オッサンに残された時間は少ない。待っていられないから、友人は別の店を提案した。お好み焼きのぼてじゅう。行ってみて驚いた。列ができていた。蛸之徹ほどではなかったが。ここでも、関西人の底力の底力を見た。タコ焼きとお好み焼きは、関西では粉もん一族として親類関係にあるから、当然のことかもしれにない。
 少し並んで店に入った。注文したのは、豚玉と焼きそばとビールの黄金トリオ。今度は僕らが関西人の底力を見せつけた。
 今回は細い方の紅ショウガを使った。トースト用の食パンにバターを塗り、とろけるチーズを乗せ、その上に紅ショウガを並べ、トースターで焼く。
 オッサンは居酒屋さんに行くと、紅ショウガの天ぷらをあてにする。家で天丼を食べるために、スーパーで天ぷらのセットを買う。セットは何種類もあるが、必ず紅ショウガ入りを選び、関西人の底力を見せつける。(梶川伸)2025.12.25
 

更新日時 2025/12/25


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