編集長のズボラ料理(844) クワイの素揚げ
おせち料理でしか食べないものがある。よくスーパーに行くが、正月前しか買わない食材がある。
僕の場合、例えばカズノコ。正月ではない平常時でも、時たま上品なお店でちょっと出ることはある。でも、そんな店にはほとんど行かないので、口にすることはないし、決して買うことはない。
カズノコは好きなので、手作りおせちには必ず入れる。遊び来る娘、息子も好きなのを口実に、安いものを2パックをは買う。
ただ、定年後クッキングの素人だから、塩の抜き具合がわからず、年によってでき、ふできが出るのが悲しい。幸い今回は、正月前に料理名人の遍路仲間に会う機会があり、「塩抜きは半日。途中で水を1回取り換える」と教えられた。これで完璧。お正月にはガバガバ食べた。これで1年間、カズノコを見ないでも構わない。
田作りも正月しか食べない。でも、めざしは好きだから時々焼く。そんな人もいるから、スーパーにはいつもある。遍路で四国に行くと、香川県・伊吹島のイリコをよく買う。だしを取るためだが、そのまま食べる。のも好きだから、酒のあてにつまむ。
イワシは好きだし安いから、煮付けて食べる。ショウガと梅干しとしょうゆの組み合せは、酒のあてにはうってつけ。イワシは普段から縁がある。
しかし、田作りのようの小さなイワシは、正月前しか見ることがない。普段はどこを泳いでいるのだろう。
1番不思議なのは、クワイだと思う。12月半ばに突然姿を見せる。その出現ぶりに驚き、必ず買って煮る。数は少ないが、おせちの重箱に入る。
クワイは普段、どうしているのだろう。正月前の一瞬を除けば、決して見ることはにない。水の中で育つらしいから、ずっと身を沈めているのだろうか。
今シーズンもスーパーでクワイを見つけ、さっそく買って、おせちに備えた、そんな時、テレビ番組でクワイ農家を紹介していた。お薦めの食べ方は、素揚げだという。
さっそくやってもみた。料理と言っても、特別な工夫があるわけではない。何の細工もなく、そのまま油で揚げるだけ。
さっそく食べてもみた。酒のあてとして。もちろん、正月前に。長い人生で、正月以外に口にしたのは初めての画期的な日になった。その結果、おせちにクワイの姿はなかった。これで、今年の12月15日ごろまで、クワイとはバイバイとなった。そして、簡単ではあっても素揚げにはせず、正月まで我慢すると決めた。(梶川伸)2026.01.03
更新日時 2026/01/03