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心にしみる一言(65) 作り手と飲み手に擬似的一体感が生まれる

2002年9月13日の毎日新聞

◇一言◇
 作り手と飲み手に擬似的一体感が生まれる

◇本文◇
  酒飲みというものは、自分だけのラベルの日本酒がほしくなる。会員を募り、会員になると田植えや刈り取りにも参加でき、最後は絞りたての酒を入れた瓶にマイラベルを張る。酒蔵と消費者が一体になった酒造りがはやっている。
酒造会社の社長として、早くからそんな試み始めた大門康剛さんから聞いたのが、上の言葉だ。「飲み手は知的満足を得て、造り手は蔵を理解してくれるファンを増やすことができる」
ビールなどに押され、日本酒の現状は厳しい。その原因は酒蔵の側にもあるという。「昔の造り酒屋は、客は酒屋(小売店)だと思っていた。最終的な客である飲み手の顔を見る必要はなかった。しかし、そんな時代は終わった。造り手と飲み手の顔が見える関係がどんなに大事かを知った」(梶川伸)
=2002年9月13日の毎日新聞に掲載したものを再掲載2016.05.14

更新日時 2016/05/14


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