このエントリーをはてなブックマークに追加

心にしみる一言(46) 外から帰ると、まず台所に入る

2002年4月13日の毎日新聞

◇一言◇
 外から帰ると、まず台所に入る

◇本文◇
 インドネシア・バリ島の結婚式の模様を聞かしてもらったことがある。日本でバリダンスを教えていたアグン・デジャさんが故国に帰り、日本人女性と式を挙げた時のことだった。
式は、花嫁がヒンズー教徒になる儀式から始った。続いて、悪霊が式を邪魔しないように願い、バリの酒を捧げものにした。それから本番へ。
花婿は、肩で荷物を担ぐまねをする。農作業を模したものだという。一方、花嫁は買い物をする仕草をする。一角には、小さな台所のようなものが設けられ、料理のまねごともする。これから始まる生活を、互いに疑似体験するのだろう。
「現実の生活でも、台所は重要な意味合いを持つ」。その一つの例が、外出から帰宅した際の風習だ。「台所には水と火の神が住むのだから」(梶川伸)
=2002年4月13日の毎日新聞に掲載したものを再掲載2015.11.04

更新日時 2015/11/04


関連地図情報

関連リンク