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心にしみる一言(44) 金もうけより人もうけ

2002年3月30日の毎日新聞

◇一言◇
 金もうけより人もうけ

◇本文◇
 「夫婦の桜を植える会」を主宰している入江隆さん、高代さん夫妻から聞いた言葉だった。
遅い結婚で、式も旅行もせずに暮らし始めた。「せめて記念に、桜でも植えよう」。1991年のことだった。その後、メンバーを募っては、各地へ植樹ツアーに出かける。植えた桜の幹に、自分の名前と、命名した桜の名前を書いた木札を下げる。
誕生、定年、還暦など、理由は何でもいい。自分の木の下で、花見をしたいと思う人ならば。
「日本は家族の文化、夫婦の文化が希薄。桜を植えることで、きずなを見直す」。それは家族に限らない。「多様な友だちがいて、豊かな人生になる」。それが「人もうけ」。いっぺんに大勢の友だきができる植樹ツアーもその1つだが、入江さんの活動や遊びは、数え切れないほど多い。(梶川伸)
=2002年3月23日の毎日新聞に掲載したものを再掲載2015.10.19

更新日時 2015/10/19


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