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心にしみる一言(42) 日本は負けた、ご苦労であった 

2002年3月16日の毎日新聞

◇一言
 日本は負けた、ご苦労であった

◇本文
 1945年8月13日、旧満州(中国東北部)の開拓団にいた風間博さんに電報が届いた。「撫順部隊に入隊せよ」。列車に乗り、部隊に着いたとたん、解散になった。上記の一言とともに。
戦争が終わったからといって、悲惨な生活が終わったわけではなかった。開拓団に帰り着くと、地獄が待っていた。衛生状態が悪かったのか、800人ほどが次々と亡くなった。
土が凍る冬が来る前に、大きな穴を掘った。死者の連絡が入ると、その穴に運んでは葬った。
「最初は穴が深いから、ストーンと音がする。遺体が一杯になるにつれ、たくわんの大根を漬け直すように置き換えた」。花を供えることもなく。顔にかけるハンカチすらなかった。遺体は犬がかじった。それも戦争というものだった。(梶川伸)=2002年3月16日の毎日新聞2015.10.03

開拓団

更新日時 2015/10/03


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