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心にしみる一言(39) それぞれの物が持っている時間の尺度を、人間の都合だけで動かしてきたのが間違い

2002年2月23日の毎日新聞

◇一言◇
 それぞれの物が持っている時間の尺度を、人間の都合だけで動かしてきたのが間違い

◇本文◇ 
 公害やプラスチック、農薬などの問題で、住民サイドで研究を続ける植村振作さんが、大阪大学を退官するに当たって口にした言葉だった。
専門分野のレオロジー(変形と流動に関する力学)の大切な概念に、物が持つ時間の尺度があるという。「地球温暖化、廃棄物、化学物質による汚染……。どれも、物が自然の中で変化するのに必要な時間や耐量を無視した、私たちの過剰な活動の結果生じた」。そんな思いを込めた。
その上で提言する。「いかに物を使わないようにするか、廃棄しないようにするか。そんな視点を持った消費者運動が起こらなければならない」
消費者運動とは「返事のこないを書いているようなもんだ」とたとえた。「でも、書き続けるべきだ。みんなで一緒に変わりたいから」と。(梶川伸)=2002年2月23日の毎日新聞に掲載したものを再掲載2015.09.11

レオロジー

更新日時 2015/09/11


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