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心にしみる一言(33) やっぱり弁当は売っていません

2002年1月12日の毎日新聞

◇一言◇
 やっぱり弁当は売っていません

◇本文◇
 3年前の冬の寒い日だった。JRの「青春18切符」を利用し、和歌山県の南の方へ出かけた。普通や快速にしか乗れないが、格安なのがいい。
日が暮れて、那智駅から大阪へ引き返すことにした。長い道中の車内の楽しみは、駅弁をあてにしながら、チビリチビリと飲む酒だ。
駅弁を探したが、ない。駅に隣接する温泉で一風呂浴びているうちに、売り切れたのかもしれない。酒だけを手に入れ、列車に乗った。
検札に来た車掌に、駅弁を売っている駅を尋ねた。「串本は売っていない。紀伊田辺の売店は終わっているはず。 白浜はどうだったかなあ」
白浜駅に着き、売店に走った。何と車掌が待ち構え、上記のように告げた。あてはパンとかまぼこになったが、親切という調味料がきいていた。(梶川伸)=2002年1月12日の毎日新聞に掲載したものを再掲載2015.07.24


 

青春18きっぷ

更新日時 2015/07/24


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