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心にしみる一言(29) 過疎を逆手にとる 

2001年12月6日の毎日新聞

◇一言◇
 過疎を逆手にとる

◇本文◇
 愛媛県魚島村(当時。現在は上島町)は、瀬戸内海に浮かぶ魚島と高井神島という小さな島からなる。1997年に訪ねた時、佐伯真澄村長が口にしたのが、この言葉だった。
176世帯、人口320人の小所帯。だが、村には誇りがたくさんある。100%の下水道普及率もそうだ。「人口が少ないからこそできる村づくり」。そんな逆転の発想に支えられている。
役場にはテレビスタジオがあり、全世帯に番組を流す。村施行100周年を記念し、村史を作って全戸に配った。過疎だからこそできた。「県や国におんぶにだっこでは、島の衰退を招く。村のキーワードは誇りと自立」と胸を張った。
もちろん高齢化は進んでいるが、お年寄りを「社会の知恵袋」と考える。村長の一言が耳に残る。「私は64歳だが、村ではまだ若い衆だ」(梶川伸)=2001年12月6日の毎日新聞に掲載したものを再掲載2015.06.16

更新日時 2015/06/16


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