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心にしみる一言(4) 夕日は1日の思い出を一杯詰め、重くて重くて沈んでいく

2001年5月31日の毎日新聞

◇一言
 夕日は1日の思い出を一杯詰め、重くて重くて沈んでいく

◇本文
 親子で手をつなぎ、夕日を見る時間を作ろう。そう提唱している二木賢治さんが言った。耳に心地よい。夕映えを背景にしたシルエットが目に浮かぶ。優しくて、和やかで、穏やかな。
 夕日にはどこか、ふる里のイメージがだぶる。赤トンボが飛んでいそうな風情もある。谷内六郎さんの絵に、赤トンボがツタの葉を、秋の赤い色に点火していくものがあった。
 夕日も同じように、あたりを赤い色に染めていき、やがて夜の深い色に変わる。その短い時間が、1日を振り返るにはちょうどいい。
 都会にも夕日は落ちる。街の真ん中にありながら、山の陰に隠れる夕日を、ビルの谷間から見通せる食事の店を取材したことがある。店じまいの時刻の決め方が粋だった。日没後1時間。(梶川伸)=2001年5月31日の毎日新聞夕刊に掲載されたものを再掲載2015.01.26

心にしみる一言

更新日時 2015/01/26


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