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能勢街道をゆく④ 服部周辺

服部天満宮。右側は縁起を記した説明板

 阪急服部駅周辺は、能勢街道の宿場だった。今回の街道歩きは先に進むのを止め、旧宿場の面影と、現在の姿を訪ねてみた。
 駅の東側に、服部天満宮がある。菅原道真が九州・大宰府(だざいふ)に左遷される時に寄った場所とされる。学問の神様として信仰を集めるとともに、足の神様でもある。説明板によると、この地は機織(はたおり)部である秦(はた)氏が居住し、服部の地名も機織に由来する。秦氏は医薬の祖神、少彦名命(すくなひこなのみこと)を尊崇し、ほこらを作っていた。
 道真は九州に向かう途中、かっけに悩み、歩けなくなった。村人の勧めでほこらに参ると治ったという言い伝えがあり、足の病気にきくと評判になった。足にちなみ、「スポーツ選手の参拝も多い。ウォーキングの出発点にも使われる」と、福岡宣幸・権禰宜(ごんねぎ)は言う。本殿には参拝したマラソンの土佐礼子選手、サッカーの大黒将志選手らの名前が掲げてあった。
 国道176号を東に渡ると住吉神社がある。神楽殿(かぐらでん)は大阪で1番古い能楽堂で、国指定登録有形文化財。1998年に篤志家が大阪市中央区に建てた総ヒノキの舞台で、1981年に移築された。社務所によると、7月31日、10月15日の例祭に神楽が奉納される。
 駅の西側、豊島小学校の敷地に、妙見宮常夜灯が残っている。「左 池田」の文字が読める道標で、街道沿いにあったが、痛みがひどくなるので移したと、先生に聞いた。
 駅前商店街で、「魚がキープできる店」をうたった料理店「檜(ひのき)」を見つけた。カウンターがガラス張りの水槽で、予約を受けると、魚のひれに名札をつけて泳がせる。経営者の西野宏さんは「カップルの男性が彼女のために注文することもある」とか。
 「ぎぶし」という変わった名前の店があった。持ち帰り専門の店で、「ぎ」はギョウザ、「ぶ」は豚まん。「し」はシュウマイだそうだ。(梶川伸)
==地域密着新聞「ナチゴト豊中・池田」第5号(2010年9月4日)

服部天満宮 住吉神社 能勢街道 妙見宮常夜灯

更新日時 2010/09/15


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