身近な法律相談⑪ 遺言って簡単?
遺言には何を書こうと自由ですが、「自分が死んだ後も、みんな仲良く暮らして欲しい…」といった事柄は法律上意味を持ちません。遺言に書いて法律上の効力が認められるのは、主に、遺産を誰にどのように残すかといった相続に関する事柄です。
遺言には大きく分けて、自筆証書遺言と公正証書遺言があります。自筆証書遺言の書き方は厳密に決められており、その作成は意外と簡単ではありません。夫婦連名で作成された遺言やワープロ打ちした遺言などは、無効になります。遺言が無効であれば、法定相続人が遺産分割協議をして相続の仕方を決めることになりますから、せっかく遺言を書いても遺言者の希望は通りません。「子供たちは、私の希望どおりにしてくれるはず…」と思われるかもしれませんが、親世代に比べ子世代の経済基盤が弱いことが多い昨今、その期待は裏切られるかもしれません。
せっかく書いた遺言が無効にならないよう、自筆証書遺言を作成する場合は、弁護士等の専門家にアドバイスを受けて、完成したものにも目を通してもらいましょう。
【千里中央法律事務所 大山七重弁護士】
=地域密着新聞「マチゴト豊中・池田」第55号(2013年9月12日)
更新日時 2013/09/04