能勢街道をゆく②<br /> 三国橋~庄内
阪急宝塚線の三国駅をスタートした。歩く前に、駅東側の商店街「サンティフルみくに」へ。中ほどに「三国名物 天佑コロッケ」と書かれたのぼりが立っている。その店で1個80円のコロッケ2個を買って食べた。パン粉の下の衣がしっかりしている。
前回は新三国橋で神崎川を渡り、豊中市に入った。今回は能勢街道の本来のルートに近い三国橋を渡る。橋のたもとに「三国の渡し跡」の石碑が立っている。説明板によると、太平記の記述から、正平17(1362)年にはすでに三国の渡しがあったと推測できるそうだ。
道田橋で街道筋から東にそれて、「目いぼの渡し」跡に寄り道をする。名前に関心を持ったからだ。豊南交番で道を聞く。胸に交番相談員のプレートをつけた男性が、「交番のお留守番」とおどけて言いながら、地図を示した。
豊南町東3丁目第1児童公園の前の神崎川堤防に、石碑があった。「旧跡 目いぼの渡し」と刻んである。その昔、右目の上に大きないぼのある船頭がいて、誰ともなく「目いぼの渡し」と呼ぶようになったと記してあった。
天竺(てんじく)川沿いを北上する。再び街道ルートをそれ、国道176号をまたぐ阪急電車の牛立陸橋をカメラに収めた。地図によると、街道沿いに寺が続いている。最初の正業寺へ向かうが、入り組んだ道なので、夫婦連れに道を聞いた。夫が「左へ行って右に曲がり、また左へ……」。すかさず奥さんが「国道に出て、たばこ屋を右」とピシャリ。
2つ目の明福寺の境内に入ると、住職に「3つの寺とも浄土真宗」と教えられた。3つ目の善徳寺では、寺の女性が「川の反対側(東側)が能勢街道と聞いている。松林があって、それらしい雰囲気があったが、20年ほど前に伐採してしまった」と、少し残念がった。それでも、雰囲気が残る場所を求めて歩き、1枚撮影して庄内駅へ。
駅前の豊南市場はにぎわっている。森田屋のコロッケを買って食べた。1個35円だった。1997年に買った時に25円だったので安さに驚いたのだが、今回は少し値上げはしたものの、安さを維持しているのに驚いた。 (梶川伸)
=地域密着新聞「ナチゴト豊中・池田」第3号(2010年8月26日)
更新日時 2010/08/16