伊丹街道をゆく 豊中市桜塚~大阪空港
旧伊丹街道は豊中市・桜塚で能勢街道から分かれ、西に進んで伊丹市に入り、西宮市で中国街道に合流する。今回は岡町駅東の商店街を起点とし、大阪空港まで歩いた。
よく通る商店街だが、新しい発見もある。原田神社裏参詣(さんけい)道と書かれた石柱がある。その日の降水確率をホワイトボードに書いて、通りに出している店もあった。阪急宝塚線の高架下を通って西に向かうと、原田神社所有地と彫ってある石柱が、ちょっと斜めになりながら立っている。
道は住宅の間を進む。昔の風情を残す屋敷があるかと思えば、懐かしい響きのある文化住宅と書かれた看板もある。道に沿った轟木(とどろき)公園に寄ってみる。グラウンドや大きな滑り台などの遊具が設けてあり、住宅街の公園としては広い。3人の人間を表した大きなモニュメントも設置してある。
大きな砂場が目につく。高さ60センチほどのコンクリートの壁が、砂を囲んでいる。目についたのは「車いすの方も利用できる砂場です」と表示してあったからだ。確かに、壁の高さまでスロープがついている。子ども連れて遊びに来ていたお母さんに、利用状況を聞いてみた。「珍しい砂場でしょう。でも、車いすで利用している人は、見たことはないですね。砂場に入った後、どのようにして出るのかな、と思う」。厳しい反応だった。
歩いたのは6月下旬だったが、山ノ上公園の手前の道ばたでは、早くもハギが花をつけていた。阪神高速の下を通って浄行寺の境内に入ると、コスモスが咲き始めていた。夏に向かう時期にも、秋が少しずつ忍び込んでいるのを知る。
千里川を越えて行くと、大阪空港が見えてくる。空港の周辺には、走井2丁目空港ひろばなど、いくつもの公園がある。広大な緑地もある。緑地内にはさまざまな植物が植えてあり、名前を書いたプレートも取り付けてある。遊歩道のような道もある。ただし、走井2丁目空港ひろばも緑地もフェンスで囲まれ、自由に中へは入れない。飛行機の騒音対策のために整備された空間だからだろう。箕輪3丁目公園は滑り台もあるが、利用する人は少ないようで、ヒメジオンの白い小さな花に覆われていた。(梶川伸)
更新日時 2012/06/23