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西国巡礼道をゆく 池田市西本町~畑4

毎月第3土曜日に開かれる骨董市(ほんまち通り)

 旧西国巡礼道は勝尾寺(箕面市)から中山寺(宝塚市)に至る参拝の道で、途中で池田市内を通る。今回は池田市西本町の呉服(くれは)橋を起点にして東へ進み、箕面市との境界まで歩いた。5月19日だった。
 ほんまち通り商店街では、歩道と小さな広場で骨董(こっとう)市が開かれていた。毎月第3土曜日が開催日で、8つの出店が並ぶそうだ。出店していた川西市の女性に話しかけた。「以前は阪急百貨店にも出していた。時代が変わった。骨董では生活できない。趣味みたいなもの」。そう言って、のんびりと店番をしていた。
 ほんまち通りは旧能勢街道と重なる。巡礼道はやがて北へ取り、阪急の創設者、小林一三にちなむ地区を通る。まず、池田文庫。一三の寄贈書や宝塚歌劇のポスターなど所蔵している。敷地には、奈良や京都などの歴史的価値のある石灯篭(とうろう)の精密なレプリカが置いてある。カメラを向けていると、「受付にパンフレットがありますよ」と声をかけられ、ありがたく頂いた。
 小林一三記念館の前を通って巡礼道は少し北へ向かう。今回は池田文庫まで引き返し、そこから北へ歩いた。一三の収集品を展示する逸翁美術館を通り過ぎ、池田城跡公園に寄った。ちょうど、タニウツギが満開だった。6月は白いユリが咲き競う。花の手入れをしていた男性に聞いてみた。「公園が2000年にオープンしたので、2000株を植えたと聞いている。今年はやや小ぶり」
 府道箕面池田線に出て、五月山の山すそを東へ行く。途中で、池田市都市緑化植物園に寄った。温室があって、トックリヤシ、ラン、食虫植物などが所狭しと並んでいる。外にはカクテルローズとクリスマスローズが、ともに満開だった。
 しばらく行くと横岡公園。少し登った所が公園になっていて、斜面はツツジに覆われている。上の広場には、石仏がまつってあった。
 巡礼道は上渋谷のバス亭で、府道をそれて南側の住宅街の中を進む。道標を見つけた。「東 京・江戸」「西 日向高原」と書いてあるが、案外新しい。堂九本川(どうくもとがわ)の手前に「青面金剛」と記された石があり、案内板には庚申(こうしん)塔となっていた。さらに行くと、石澄川を渡って箕面市へ入る。(梶川伸)

池田文庫 小林一三記念館 逸翁美術館 池田城跡公園 池田市都市緑化植物園 横岡公園

更新日時 2012/05/23


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