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三国街道をゆく②豊中市・緑地公園駅~千里中央駅

昔懐かしい手押しポンプ

 緑地公園駅をスタートした。新御堂筋の1本西側、吹田市の住宅街の中の道を北へ向かう。あるマンションの前に、災害用井戸が設けられ、昔懐かしい水をくみ出す手押しポンプがあったので、思わず見とれてしまった。ただし、注意書きに「この水は飲めません」。
 新御堂筋に出て、西側の歩道をゆく。桃山台の駅の手前で、春日橋歩道橋を東に渡る。歩道橋の上からは、新御堂筋を走る車と、北大阪急行の電車が一緒に写真に撮れる。電車が走ってくるのをしばらく待って、カメラに収めた。
 新御堂筋の東側に降りると、春日大池があった。池の中で噴水が噴き上げ、小さな島もあって、なかなか景観が良い。池のほとりに、「健康歩道」という説明板とともに、子どものこぶし程度の黒い石がでこぼこに敷き詰めてある道が整備されていた。説明板があることは、散歩に来ていた男性に教えられた。説明板によると、石の上を歩くと、足の裏が刺激されて健康に良いそうで、「私達夫婦がこの地で過ごした証(あかし)として送ります」と夫婦の名前で記してあった。
 桃山台駅を過ぎると、再び豊中市に入る。新御堂筋を少し東に入ると、大阪府指定文化財の旧新田小学校校舎が保存されている。1900年の建築で、1973年まで校舎として使われていたそうだ。明治期の学校は洋風や擬洋風の建物が多い中で、和風建物で特徴を示している。
 このあたりから旧勝尾寺街道と合流するが、さらに進んでみる。道標がいくつも残っている。その中に、豊中市で最古と説明されている道標があった。「右かつをし(勝尾寺)」と書いてあるようだ。「天明二(1782年)」の年号が刻まれている。ほかの道標にも「右ざい所」「左 大坂へ三里」「右いばらき 左かちをじ」などの文字が見える。
 街道を500メートルほど西に入り、上新田天神社を訪ねた。本殿は貞享3(1686年)の建立だという。唐獅子、猿などの彫刻が施されているそうだ。今度は街道を東にそれ、真覚寺に寄る。カリンの大きな実がなっていた。近くに北向き地蔵。そこに登る石段の横には北向地蔵尊と書かれた赤いのぼりが10本ほど並んでいた。街道に戻り、中国縦貫道の上を渡り、千里中央駅まで歩いて、三国街道歩きを終えた。     (梶川伸)

旧三国街道 春日大池 かつをし 上新田天神社

更新日時 2011/10/17


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