編集長のズボラ料理(806) サケ・ウニ入り揚げ豆腐
大阪市の居酒屋さん「一味禅」で、昼食に丼を食べた。テレビ番組で紹介された時、海鮮がもりもりに乗っていて、量が魅力的に見えた。その印象が頭に残っていたので、所用で出かけた際に、寄り道をした。
丼はいくつもあったが、どうせなら、ではある。1番もりもりを選んだ。その名もスペシャル北海丼。これなら、たっぷりの具の海鮮で酒を飲みまくり、後はみそ汁でちゃちゃっと下のご飯を食べてればいい。
でも、昼ご飯としては値段が高い。2980円(+税)。決断したのには理由がある。LINEで友だち申請すると、500円引きの2480円(+税)。エーイ、500円のお得だ。
店員さんに注文すると、ボソッと「多いですよ」。ちょっと気にはなったが、望むところである。
まず生ビールを飲みながら待っていると、口の広い丼が運ばれてきた、ホタテの貝柱、イクラ、ウニの生がタップリ。これだ、これだ。ウニなど滅多に食べることははないから、心が躍った。
ただ、少し不安がよぎった。生は丼半分を占めていた。それだけでも十分なのだが、問題は残り半分。そこは天ぷらゾーンだった。エビ、アナゴ、鶏、豚、ナス、ピーマン、レンコン。
これには参った。ビールの次は日本酒と考えていたが、甘かった。ビールなど飲んでいる余裕はない。ご飯の量も多いから、ひたすら食べる。それでも減らない。丼の底が見えてこない、酒に進む余力など皆無。その時になって恨んだ。ボソッとではく、大きな声で「多いですよ」と言ってくれよ。「年寄りには無理」と。
家でウニを食べるのは、瓶詰めの安い練りウニと決まっている。それに、瓶詰めのサケのフレークを使えば、ささやかな北海の世界となる。
豆腐は水切りをしてから、手でもんでつぶす。みじん切りのネギ、木の芽(葉が大きければ半分に切る)、生卵、カタクり粉を加えてよく練り、円盤状に成形して、油で揚げる。
一味禅の夜、全くお腹がすかなかった。夕ご飯も食べる気力がなかった。ただ、昼の心残りは解決しておく必要があった。そこで、お腹のふとらないイリコとノリで、日本酒を飲んだ。これでやっと、海鮮+酒の組み合わせは完結となった。(梶川伸)2025.06.16
更新日時 2025/06/16