編集長のズボラ料理(870) 豚とタマネギのショウガ焼き
後輩が和歌山勤務になった。SNSへの投稿で知った。
食べるのが大好き人間。そのため、同じ職場だったころはどんどん成長し、体重は堂々と100キロを超えた。
やがて僕は仕事を退いてたので、会うことはほとんどなくなった。数年ぶりに会った時に驚いた。普通の体格になっているではないか。医者に言われ、減量した成果だという。裏の理由もあった。結婚を控えていたのだ。こちらの方が減量への原動力になったに違いない。
体重は減っても、食への意欲は衰えていないようだ。食べた店を、次から次へとSNS発信しているからわかる。和歌山に変わってからから間もないのに、相変わらず次から次へと。
僕は初任地が和歌山だった。大先輩である。半世紀以上も前だから、大大大先輩である。先輩風をビュンビュン吹かしてやることにした。昔行っていた店を教えてやるのだ。
軽く考えたが、これは難しい。井出商店は、担当する警察署に近かったのでよく行ったが、和歌山ラーメンの代表格の有名店だから面白くないし、食に貪欲な彼は食べているに違いない。
井出を外すと、なかなか思い出せない。店の雰囲気や味については一定の記憶はあるのだが、肝心の店の名前が出てこない。やっと出てきたのが2つ。フライヤとエイト。どちらも洋食屋さん。エイトは職場のすぐ近くだから何度も行ったので、名前を覚えていた。フライヤは15年ほど前に再訪してタンシチューを懐かしく食べたので、名前が出てきた。
これでどうだ、と彼に連絡した。結果は1勝1敗。エイトはもうないが、フライヤは健在も健在で、そのうち行ってみるという。
もう1つ、教えようとした。昼ご飯によく行った店。いつも豚のショウガ焼き定食を食べた。その名前が出てこない。
そうこうしているうちに、元同僚の定年後ファーマーから、定年後クッキング用に、新タマネギがたくさん届いた。そうだ、新タマネギ入り豚のショウガ焼きを作ろう。
しょうゆ、砂糖、酒、おろしショウガをよく混ぜてたれを作り、豚肉をしばらく漬けておく。タマネギ薄めの櫛切りにする。フライパンに油をひき、豚肉の両面を焼く。タマネギとたれを加えて炒める。
何や、ショウガ焼きやないか。そう思う人は多いはず。でも、タマネギと一緒になっていて、その差を大事にするのがズボラ流である。安易すぎるがしょうかない。(梶川伸)2026.05.10
更新日時 2026/05/10