編集長のズボラ料理(869) ナガイモの竜田揚げ
スーパー同士の競争は、とても興味深い。
京都・奈良の府県境に住んで、40年近くになる。移り住んだ当時は新興住宅地で、スーパーは住宅開発とともにできた近商ストアがあった。開発が進むに従って、コンパクトな「いそかわ」もオープンした。いずれも歩いて7~8分。
さらに開発が進み、巨大なイオンモールができた。歩いて2分。やがて、いそかわは姿を消してしまった。
いそかわの2階には金融機関が設置した子ども向けの小さな図書館があり、時々のぞいていたが、それも閉鎖になってしまった。近商から1分の所に、奈良市立図書館の分館があるので困りはしない。ただし、僕は府県境住民ではあるが、厳密には京都府民だから、本を貸し出してはもらえない。
時は流れ、2つのスーパーに大きな違いが出てきた。イオンモールには映画館もあり、飲食店ゾーンやフードコートもあり、テナントも多い。このため、人の流れの本流はイオンに向かった。近商は支流となった。ただ、新興住宅地も経年変化で僕のような年寄りが増え、支流の中ではメーンの構成員となった。コアな近商支持者と言える。
近商には年寄り向けの仕掛けがある。象徴はアナログな紙のポイントカード。指定された日に1000円以上買うと、レジの店員さんがはんこを1つ押してくれる。押印欄には年金支給日もあるから抜け目ない。全部押してもらうと、1月で300円あまりになる。
売り場はイオンほど大きくないから、品物を探しやすい。その一方で、ヨード卵・光を使いながら安いマルキン(愛知県豊橋市)のバウムクーヘンのような、イオンでは絶対に見かけないものも置いて1る。マルキンという名前はカタカナではあるが、洋風ではなくて和風だから、年寄りにとっては、何とも親しみやすい。
店に入るとすぐ横長の商品棚に突き当たるのも、作戦の1つ。その日の特売の野菜が7~8種類並んでいる。ここでいくつか籠に入れ、あとは牛乳やパンでも買えば、はんこがもらえる1000円になる。カートの車がスムースに回るのも、年寄りにはありがたい。
特売コーナーによく登場するのがナガイモ。イオンでも特売になることはあるが、近商の方が回数は断然多い。今回のナガイモも近商で買った。1本298円。
皮を切り取り、食べやすい短冊に切る。白だしと一緒にビニール袋に入れ、しばらく置いておく。水分を除き、カタクリ粉をまぶして、油で揚げる。皿に盛り、青ノリの粉とコンブ茶をふる。
この春、近商は20日間も店を閉じ、大きな改装工事をした。スーパーの中に成城石井のコーナーを作った。通路は幅を広げた。全体として、イオンよりも少しおしゃれで上のランクにしたように見える。さて、人の流れはどうなるか。手押しポイントカードやマルキンは残っているが。(梶川伸)2025.05.04
更新日時 2026/05/04