編集長のズボラ料理(864) 焼きコロッケ
遍路仲間はよく遊ぶ。年も考えずに。少なくとも毎月1回は集まる。食べたり、酒を飲んだり。
半数は女性で、年齢が高いので、超ベテラン主婦ということになる。だから、料理について、よく教えてもらう。
夫が亡くなって独り暮らしのメンバーが3人いるので、家で集まることがある。そんな時には、イカ飯であったり、豆ご飯であったり、僕とは縁のない料理が出てくることがよくある。
なかなかいけるので、「教えて」と頼む。すると、「特別なことはしてない」という答。イカの味、豆の味に任しているらしい。それが難しい。
大根の煮物が得意なメンバーがいる。大きめに切って煮ている。それだけのことだが、酒のあてにもいける。超ベテラン主婦たちは、こってりの時代はとうに過ぎて、あっさりの域に達しているように見える。
仙人のような食べ物ばかりだが、こってりも食べたくなるのではないか。そう考えて、「揚げ物は食べないの?」と聞いてみる。大根主婦は「店で食べる」と言う。こってりも食べるのだ、と安心するが、外食するのは「台所が汚れるから」という理由である。
「焼き肉は食べないの?」と聞いてみる。答はやはり「食べたくなったら店で」。理由も「油が散って、テーブルが汚れる」。
男組は「今度焼き肉大会をしよう」と、冗談交じりに持ちかけてみるが、絶対に応じない。そんな時は、独り暮らし3人組が結束して抵抗する。こってりに関しての対応は、どうも一緒らしい。
コロッケも家では作らないらしい。だだし、これは外食ではなく、買って帰るらしい。確かに1人用に油を使うのは非効率だし、後始末を考えると、揚げる気にならないのはわかる。
そこで、揚げないコロッケにしてみた。ジャガイモはゆでて皮をむき、ボウルに入れてつぶす。フライパンに油をひいて熱し、合いびきミンチと細かく切ったタマネギを痛める。味つけはだしの素、砂糖、塩、しょうゆ。これもボウル入れる。ゆで卵を作って小さく切り、これもボウルに入れる。よく混ぜて円盤状に成形し、表面に細かいパン粉をつけて、両面をオーブンで焼く。
超ベテラン主婦に、イカ飯講習会を開いてもらった。1晩水につけたもち米を、スルメイカに詰めて50分ゆでた。イカはきれいに皮を取ってあるので、白い色をしている。ゆでる時の味つけは、みりんと白だし。白いイカ飯で、イカの味が穏やかだった。
何とその日は、手作りのコロッケが出てきた。バターと牛乳の味がするコロッケ。台所に油が飛び散っていなかった。(梶川伸)2026.04.13
更新日時 2026/04/13