心にしみる一言(392) 徳島市が川の街であることを知ってもらうのが目的
◇一言◇
徳島市が川の街であることを知ってもらうのが目的
◇本文◇
徳島市の徳島城の濠や、新町川などを巡る小さな観光船がある。「ひょうたん島クルーズ」と名づけられている
新町川を守る会が運航してい」る。徳島市のPRのためで、「徳島市が川の街であることを知ってもらうのが目的」だという。だから料金は保険料だけで、1人200円。
遍路旅の先達(案内人)をしていたので、一行と乗ってみた。この旅は遍路だけでなく、四国そのものを知ってこそ、遍路文化を知ることができる、という考えを基本に据えているからだった。
所要時間は30分。それぞれライフジャケットを身に着けて、船に乗り込んだ。3月中旬だったが、吹き曝しの船なので、風を切る。出稿したのは午前11時前。動き出すと変えで寒い。ライフジャケットは窮屈だが、防寒着としてありがたいほどだった。
「寒い」と話していると、船長が「次の川の合流点で右に曲がったら寒くないから」と言う。その通り、風がなくなり、気持ちいいクルーズに変わった。
もう1つ、心地良いことがあった。徳島城跡の川に面したところに、蜂須賀桜が並木のように植えてある。早咲きの桜で、ちょうど満開だった。幼稚園か保育園かの子どもがたくさん、桜見物に着ていて、しきりに船に向かって手を振り、「こんにちわー」と声をかけてきたのだ、。
遍路で歩いていると、四国の子どもたちはよくあいさつをする。「こんいちは」「さようなら」「頑張って」……。お遍路さんとっては暖かい声掛けで、歩く力になる。乗船時も白い衣を着ていたので、へんろと分かったのだろう。「知らない人には声をかけない」と教えている都会とは正反対で、これも四国の文化なのだろう。(梶川伸)2022.10.15
更新日時 2022/10/15