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心にしみる一言（393）　カッパが酔っぱらって相撲をとっているところ

しばてん踊り

◇一言◇
　カッパが酔っぱらって相撲をとっているところ

◇本文
　知り合いから電話があった。「１０人ほどで高知市に行くので、良い食事場所を教えてほしい」。ｓんな内容だった。
　私は遍路旅の先達（案内人）をしていたことがある。そこで、食事場所にも詳しいのではないか、と考えたらしい。
　そこで思い出したのが、昼食で２度お世話になった「臨水」だった。鏡川のほとりに建つ料理旅館で、「とても印象に残っている」と知り合いに伝えた。
　建物は土佐藩主の屋敷の宝蔵のあった土地を譲り受けて、戦後に建てたものだという。室内のしつらえに力を入れていた。床の間には大きな絵がかかっていて、裏から光を当てて、月が昇ったり、沈んだりする仕掛けになっているものもあった。
　料理は高知の食材にこだわっていた。１度目に訪ねた時は、カツオたたきなど海のもの。２度目は簡単なすき焼きご膳ではあったが、土佐の赤牛やブランド鶏・トサジローの卵を使っていた。
　建物や食事も紋良かったが、それよりも女将の人なつっこさの印象が強い。自ら建物内の案内と説明をしてくれた。その日の泊まり客のために布団を敷いている部屋までも。
　最後には、「しばてん踊り」を見せてくれた。踊りの説明が、取り上げた言葉で、カッパが酔っ払って相撲をとるというユーモラスなものだった。女将は従業員と２人で、布のかぶりものをし、目だけ出して踊った。おもしろおかしく。
　知り合いは予約の電話を入れた。新型コロナウイルスの影響か、残念ながら２０２３年春まで休業だとか。（梶川伸）2022.10.21

更新日時　2022/10/21

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