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心にしみる一言(390) 空調は自然の熱で

犬島精錬所美術館

◇一言◇
 空調は自然の熱で

◇本文◇
 岡山県の犬島は2度行った。一時期は2000人が働いた銅の精錬所があったが、1925年に俳誌になった。その後が、近代産業遺産として注目される。 
 犬島精錬所はれんが積みの建物で、それが崩れいき、異様なの雰囲気を作り出した。1度目に訪ねたのは、それを見るためだった。
 2度目は2013年。精錬所跡が犬島精錬所美術館に生まれ変わったと知ったからだった。
 美術館は、三分一博志さんの設計で、精錬所跡に組み合わせて建てている。煉瓦跡が入口になっていて、案内の女性が待っていた。
 建物は大変興味深い。エコを重視し、電気などによる空調ではない。案内係の説明の中心が、取り上げた言葉「自然の熱だけで行っている」だった。
 サンルームのような部屋で、空気を太陽熱で暖める。残っていた精錬所の煙突を活用し、その吸引効果を使って、暖かい熱を館内に回す。そんな暖房の仕組みだった。
 内部の展示も)面白い。廊下が一直線に伸びているように見えるが、鏡を使った錯覚で、実際には曲がりくねっている。三島由紀夫が住んでいた家の部品をベネッセが保管していたようで、それをモチーフに使い、檄文を天井からたらすなどの作品は意表をつく。土間に少し水を張り、半円形の壁の模様が円形にみえるようにしたものもあった。(梶川伸)2022.09.30

更新日時 2022/09/30


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