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編集長のズボラ料理(623) 簡単トウモロコシ真薯

つゆに何か具を加えてもいい

 京都市の「一の傳」でランチを食べた。西京漬けで有名な店。いただも物を食べたことはあるが、自分で買ったことはない。友人に誘われなければ、縁がなかっただろう。自分で買うレベルを飛び越えて、一気に直営の食事処に行くのだから、大冒険である。
 メーンは銀ダラに西京焼きで、さすがの味。ほかにも少しずつたくさんのものが運ばれてきて、満足、満足。
 僕はいちいち、「これは家で造れるかな」と考える「悪い癖」がある。「相棒」の右京さんなら、その悪い癖から事件を解決にb結びつけるのだが、僕の場合は、簡単に解決に結びつくわけではない。
 メニューの1つに、トウモロコシ真薯(しんじょ)があった。「これは家でできる」と思ってしまった。そこで、友人にも、「作る」と宣言した。友人は首をかしげて、いや、首を大きく横に振った。それにもめげず、「簡単トウモロコシ真薯」と名前まで決めて、家の台所に立った。「簡単」と名づけたのは、はんぺんと冷凍コーンを使えば、すぐできると踏んだからだ。
 冷凍コーンをミキサーで粉砕することにした。冷凍で固いので、すさまじい金属音を立て、ちょっと不安になる、一応できたのだが、コーンの粉末がミキサーの内側にへばりついて取れない。不安的中で、ここから迷走してしまった。
 どうするか。はんぺんをざく切りにして、ミキサーにかければ、粉コーンと混じるに違いない。自信を持ってスイッチオン。ところが、はんぺんは切れないで、ミキサーの刃が空回り状態。
 そうだ、水分を加えよう。牛乳を投入した。簡単なはずが、どんどん複雑になっていき、最後のスイッチオン。思い通りではあったが、大成功すぎてドロドロになり、成形できずに大失敗。家族にはスープとして出し、真薯を目指していたとは、一切伝えなかった。。
 数日後にリベンジ。冷凍コーンはミキサーにかけた後、スプーンと菜箸(さいばし)でかき出し、ボールに入れた。そこに細かく切ったはんぺんを入れ、手で練って潰していく。冷凍コーンだから冷たいの何の。これは想定外だったが、2度目の挑戦なので、意地で耐えた、
 生卵も加えてさらに練る。柔らかくなりすぎないように、小さい卵を使った。できたものを、食べやすい大きさの座布団状に成型し、だし、みりん、薄口醤油の味つけで煮る。できたものを器に入れ、つゆをはる。
 何とか恰好がつき、家族には簡単トウモロコシ真薯として提供した。どこが簡単だったのか。(梶川伸)2022.09.30

更新日時 2022/09/30


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