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心にしみる一言(384) 1時間ほど早かったので、そうめんがうまく伸びない

そうめん

◇一言◇
 1時間ほど早かったので、そうめんがうまく伸びない

◇本文◇
 香川県はうどんが有名だが、そうめんの産地でもある。高松市勤務だったころ、さぬきうどん研究会というグループのメンバーと一緒に、小豆島の手延べそうめんの工場を見学したことがある。そこで、味にかける意気込みを知った。
 未明に起きて作業を始める。1番気を使うのは塩加減。「天気のよしあし、最高気温は何度になるのかを考えて、塩の割合を変える」そうだ。。
 生地を少し寝かしたあと、何時からそうめんを伸ばしていくかのタイミングも難しいという。見学者のために実演してくれた職人さんは、「まだ、うまく伸びないが」と言いった。実際に作業を始める時刻より、1時間ほど早かったのだ。それほど微妙に味が変わるということだった。
 別の人は、天日干しをしていた。すだれのようになったそうめんは、時々方向を変える。太陽の光をまんべんなく受けさせるためだ。
 小豆島素麺協同組合の理事長を務めたことのある人からも話を聞いた。そうめん作り60年のベテランで、「生き残りには、味しかない」と話した。当たり前のことだが、重い言葉だった。(梶川伸)2022.08.16

更新日時 2022/08/17


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