寺の花ものがたり(281) 養源院(京都市東山区)紅葉=11月下旬
2007年に10日あまりの間を置いて養源院を2度訪ねたが、紅葉の1番いい時には行き合わせていない。正直に言うと、この寺の紅葉を目的にしていたわけではなく、周辺の三十三間堂、奈良国立博物館、智積院に行った際に、間を通ったので寄ったのだった。
1度目は紅葉がまだ始まったばかりだった。通りすがりに見たので、写真は撮っていない、2度目は12月に入っていた。小雨が降っていた。盛りは過ぎていたが、紅葉は残っていた。
参道の紅葉の並木が美しい。雨でしっとりしていたのも、また良かった。散った紅葉が石畳について離れず、京都らしい紅葉スポットともいえる。ドウダンツツジの葉も、赤く染まっていた。
寺の廊下の天井は、伏見城落城の際、自刃した武将たちの血のりのしみた板を使ったため「血天井」として知られる。それも見ずに、先を急いでしまったのは残だったが。
◇養源院(ようげんいん)◇
京都市東山区三十三間堂廻り656。京阪電車七条駅下車、徒歩約10分。京都市バスの博物館三十三間堂前または東山七条バス停下車、徒歩約3分。075-461-3887。1594(文禄3)年、淀殿が父浅井長政追善のため創建。のちに焼失し、1621(元和7)年、徳川秀忠夫人崇源院が伏見城の遺構を移し再建。本尊は阿弥陀如来。拝観有料。
(梶川伸)=状況が変わっていることもありますので、ご了承ください。2021.11.27
更新日時 2021/11/27