寺の花ものがたり(279) 西本願寺(京都市下京区)銀杏の黄葉=11月中旬~下旬
京都市の堀川通りをバスで走ると、銀杏(いちょう)並木が黄色く色づいていた。それならばと、西本願寺にも行ってみようと思った。御影堂(ごえいどう)の前に、大きな銀杏の木があるからだった。
樹齢は約400年と推定され、京都市の保存樹に指定されている。幹周は6.5メートル、高さは7メート。普通の銀杏の木は、高く伸びるのだが、ここは違う。横に広がって、ズングリムックリしている。
説明によれば、地上から1.5メートル~3メートル付近で、枝を書く各方面に広げ、太い水平枝や斜上枝を出す形状はイチョウとしては特異だそうでで、逆さ銀杏とも呼ばれる。
ここも黄葉は良い時期だった。御影堂の大屋根をバックにすると、整然と並んだ瓦の灰色に、黄色がyく映える。
江戸時代・天明3(1788)年の火災の時、御影堂へ水を吹きかけ類焼を防いだという言い伝えがあり、「水吹き銀杏」「火伏せの銀杏」とも呼ばれる。銀杏の木は水分が多く、防火林として使われ、寺の境内によく植えられるとも聞いた。
◇西本願寺(にしほんがんじ)◇
京都市下京区本願寺門前町。京都駅から市バスの9番、28番、755番に乗り西本願寺前で下車。075-371-5181。お西さんで知られる浄土真宗本願寺派の本山。本尊は阿弥陀如来。境内自由。
(梶川伸)=状況が変わっていることもありますので、ご了承ください。2021.11.18
更新日時 2021/11/18