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寺の花ものがたり(276) 勝持寺(京都市西区)紅葉=11月後半

2000年11月18日撮影

 勝持寺は「花の寺」と呼ばれる。花は桜。境内には約100本の桜の木があり、春には伽藍(がらん)染めて咲き誇る。
 秋は紅葉がいい。その時期に訪ねたのは、1回しかないが。
 山門をくぐると、竹林の参道が続いていた。ワラ屋根の建物がある。コケ蒸してモスグリーンに変わった屋根と、紅葉の赤との対比が秋らしかった。
 本堂の前は紅葉の広場になっていて、趣きがある。やや早ったが、真っ赤になっている木も何本かあった。
 紅葉の中に、西行桜がある。西行は、ここで出家した。庵を編んで、桜を植えた。それが西行桜として知られるようになり、寺は花の寺とも呼ばれるようになった。
 西行は出家した後、桜を詠み込んだ和歌をたくさん作った。奈良・吉野の桜も、西行が有名にしたと言っていい。最後は「願わくは花の下にて春死なんその如月の望月の頃」と読んだ通りに、息を引き取った。秋に訪れても、西行と結びつく寺だった。

2000年11月18日撮影
◆勝持寺(しょうじじ)◆
 京都市西京区大原野南春日町1223−1。JR向日町・阪急東向日から阪急バスで南春日町下車、徒歩20分。075-331-0601。白鳳8(679)年に天武天皇の勅命により、神変大菩薩役の行者が創建したのが始まりとされる。本尊は薬師如来。入山有料。
(梶川伸)=状況が変わっていることもありますので、ご了承ください。2021.10.26

更新日時 2021/10/26


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