心にしみる一言(319) 宿泊客の7割は外国人
◇一言◇
宿泊客の7割は外国人
◇本文◇
四国88カ所を巡拝すると、高野山のお礼参りに行く。日帰りの時もあるが泊まることもある。
2018年7月には、先達として四国を一緒に回ったメンバーと、総持院の宿坊に宿泊した。精進料理が評判だからだ。その分、料金は高いが、遍路旅のしめくくりなので、ぜいたくをした。
お楽しみの夕食のメニューを、料理に添えてあった「御献立七月」で紹介する。献立は記念に残していて、料理の印象は、パソコンの中にメモで残しておいた。
先付けは胡麻豆腐。これはねっとりとして印象深い。この寺で作っているそうで、買って帰る人もいた。
八寸は胡瓜大葉翁巻寿司、新甘藷甘煮、氷山桃、蓮根利休二段流し、白瓜雷干し。見るのも楽しい。
油物は丸茄子、SOYハム挟み揚げ、伏見唐辛子、紅葉卸し天つゆ。SOYハムの原料は大豆。
冷やし鉢は檸檬饂飩、檸檬、彌猴桃、蕃茄、冷やしつゆ。檸檬饂飩は冷たいうどんで、上にレモンの輪切りが乗っているが、それだけではなく、トマトとキーウィフルーツも使ってあって、意外性があった。
平椀として冬瓜、玉蜀黍志の田巻、針人参、三度豆、木の芽、加減つゆ。巻物はがんもどきのような雰囲気があった。
後汁は茗荷、結び湯葉、三ツ葉、粉山椒、赤出し仕立て。
御飯は新蓮根御飯、梅肉。シンプルで控えめな味がした。
香物は胡瓜糠漬、沢庵、紫蘇漬け。
果物は檸檬ゼリー。
精進の中に、洋風な風情を感じた。宿坊の僧からは「宿泊客の7割は外国人」と聞いた。もしかすると、そんなことが関係しているのかもしれない。外国人も精進料理にひかれるのは興味深い。
以前、遍路の昼食で、徳島県吉野川市の山間の民家で、マクロビオテックの里山ランチを食べたことあがある。不便な所だったが、ここも外国の人がしばしば訪れると話していた。
翌朝は朝のお勤めだった。参列すると、外国人が多い。それでも法話の中で、「いつもは外国人の方が多いのに、今日は逆」との話があった。私たちがグループで宿泊したので、逆転現象が起きたらしい。(梶川伸)2021.07.08
更新日時 2021/07/08