心にしみる一言(320) 南天は赤から黒に変わるので、「黒字になる」という縁起物
◇一言◇
南天は赤から黒に変わるので、「黒字になる」という縁起物
◇本文◇
昔の同僚がフェイスブックに、岐阜県郡上八幡市の写真を投稿していたので、10年近く前に行った時を思い出した。12月の寒い時期だった。
青春18切符を使ったノンビリした旅。美濃太田で長良川鉄道に乗り換え、郡上八幡駅へ。駅から100円の豆バスに乗って、城下町プラザに行き、そこを拠点にした。
郡上八幡旧庁舎記念館へ行くと、大きな南天玉が軒先につるしてあった。ナンテンの実を集めて球形にしたもので、赤い目立つ色をしていた。別の場所でも見た。新酒ができたことを知らせる、酒蔵の杉玉のような雰囲気を感じた。
散策の後、列車に乗る前に喫茶店で休んだ。そこで店の人に聞いてみた。
昔は南天のど飴の南天の供給地だったそうだ。今では中国にその地位を奪われてしまった。しかし、南天は赤から黒に色が変わっていくので、「黒字になる」という意味の縁起物になっているという。需要がなくなって困っている時に思いついたアイデアが、まさに難を転じることになったようだ。(梶川伸)2021.07.13
更新日時 2021/07/22