このエントリーをはてなブックマークに追加

心にしみる一言(313) 天井から花が降ってくる

本覚寺のクレマチス

◇一言◇
 天井から花が降ってくる

◇本文◇
 兵庫県豊岡市・出石(いずし)、本覚寺を訪ねたことがあった。クレマチスの寺として知られ、境内は鉢植えを中心に、約500種1900株を誇る。テッセンはクレマチスの一種で、170株ほどあった。
 その花の取材が目的だったが、住職はまず本堂に導き入れてくれた。本尊の阿弥陀如来に手を合わせると、住職は「寝転んで、天井をご覧なさい」と言った。
 寝転ぶと、格子の天井が見える。その本堂外陣154ますに、色とりどりのクレマチスの写真がはめ込んであった。内陣の天井にはテッセンの写真。
 住職は寺を訪れた人には、同じように言う。天上に降る天妙華(てんみょうげ)にたとえながら、「寝転んでごらんなさい。5分もすれば、天井から花が降ってくる。花のシャワー浴びる気分に包まれ、心穏やかになり、顔つきも変わってくる」と。
 観光バスのガイドが、客の自由行動の時間に、寝にくることもあるとか。その気持ちもわかるような気がした。(梶川伸)2021.06.10

更新日時 2021/06/10


関連リンク