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寺の花ものがたり(266) 慈眼寺(徳島県上勝町)石楠花=5月上旬~中旬

2014年5月10日撮影

 四国遍路の別格3番慈眼寺は、標高600メートルの場所にある。山の寺で、空海が修行したとされる洞窟があり、穴禅定と呼ばれる。奥行き100メートルほどの通路を往復するが、通路が狭くて難儀し、それを修行と考えて、遍路の人気スポットになっている。」
 寺に着くと、まず大師堂がある。そこから本堂へときつい山道を登って行き、本堂の横に穴禅定がある。
 5月に参拝すると、たくさんの花に出会う。大師堂の周りは牡丹(ぼたん)園になっている。小さいながら藤棚もある。
 そこから本堂へは山の躑躅(つつじ)を見ながら行く。それでしんどさを紛らわせる。やっと着くと、そこに石楠花(しゃくなげ)が待っている。
 ピンクの優しい色。山肌の岩を背景にして映えるし、小さな本堂に花を添える。どの花にしても、数を誇るほどではない。しかし、急な坂道を登りきったり、窮屈な洞窟を抜け出てきたりした時のごほうびとして、咲いていてくれる。

◇慈眼寺(じげんじ)◇
 徳島県勝浦郡上勝町大字正木灌頂瀧18。徳島駅から車で1時間15分。0885-45-0044。平安時代初期に空海が創建したと伝えられている。四国88カ所20番鶴林寺の奥の院。本尊は十一面観音。境内自由。穴禅定は有料。
(梶川伸=状況が変わっていることもありますので、ご了承ください。)2021.04.14

更新日時 2021/04/14


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