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心にしみる一言(179) 花の見方には2つある

長岳寺のヤブツバキ

◇一言◇
 花の見方には2つある

◇本文◇
 奈良県天理市の山の辺の道にある長岳寺で、ヤブツバキを見ながら住職は、取り上げた言葉を口にした。1つは種類も数も多い豪華なものを楽しむ。例えば植物園。もう1つは、ヤブツバキを例に出した。
 「日本には生け花の文化がある。閑静な茶室で、竹やぶから切り出したヤブツバキを一輪、竹の節にいける。飾るのではなく生ける。寺の花はどちらかというと、後者の方ですね。無理には咲かせない。自然なんです」
 さらに続く。「刺激が強く、主張の強い社会で生きていると、自然の花は趣きが深い。精一杯命を輝かして咲き、極楽を開いている」と。
 最後は「花を道具として飾るのではなく、我々と一緒に生きてきたということに共感する」。住職らしい締めくくりだった。(梶川伸)2021.02.15

更新日時 2021/02/15


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