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心にしみる一言(282) 震災の夜の熱燗が忘れられない

いただいたささ酒

◇一言◇
 震災の夜の熱燗が忘れられない

◇本文◇
 阪神大震災の記念日に神戸に行くと、温かい食べも物をふるまう所がある。市役所南側、東遊園地の慰霊祭会場にもある。長田区の地域の慰霊祭では、参列者のために豚汁などを用意していて、私も何度かごちそうになった。
 2014年に長田区の六間道商店街を歩いていると、富士屋という店の前で、熱いささ酒をふるまっていた。「六軒道不動尊」ののぼりが立ち、厄除けと健康のために接待をしているとの趣旨が書いてあった。朝っぱらから1杯いただきながら、店の主人に話しかけた。「なぜ、お酒を?」と。
 主人の思い出話が始まった。「震災で家は倒れなかったが、中は無茶苦茶になった。なぜか、近くの1軒だけが、電気が通じていて電子レンジが使えた家があった。発生日の夜、その家に呼ばた。熱燗を飲ませてもらい、その味が忘れられない」(梶川伸)2020.01.15

更新日時 2021/01/15


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