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心にしみる一言(277) “自然海岸”が残ったのは、長い地域の運動の成果

淀川

◇一言◇
 “自然海岸”が残ったのは、長い地域の運動の成果

◇本文◇
 「大阪市内にも自然海岸がある」と聞き、驚いた。大阪の海岸はコンクリート堤防と消波ブロックばかりだと思っていたからだった。さっそく、教えてもらった西淀川区の矢倉海岸に行った。確か、2000年だった。
 淀川が大阪湾の注ぐ場所にある。車で堤防上を走り、その先が石積みの築堤になっていた。これが自然海岸。ただし、築堤だから人の手が入ってはいる。しかし、江戸時代以来のもものだから、「“”」付きなら、自然海岸と言ってもいいだろう。
 石積みの築堤が少しずつ形をなくしていき自然の海岸のようになっている。ただし、壊れたり浸食されてきているため、自然の石を使って補強工事をしている。石が新しくてきれいだし、人工的な干潟のようなものがやや不自然ではあったが。
 改修工事をする時、行政が自然を残すために動いたのは、地域の人たち力だった、長い運動の成果だと、出会った夫婦に教えてもらった。
 人工的に“自然”を残す工事。荒磯海岸と名付けた手法らしい。訪ねてから20年ばたった。新しかった石も、自然の近づいていることだろう。(梶川伸)20.12.16

更新日時 2020/12/16


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